第5部分 (第3/4頁)
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舞女跑著追上來,拿起一根比自己還長的粗竹子。
“你幹什麼?”榮吉這麼一問,她有點張皇失措,把竹子遞到我面前。
“給你做手杖。我挑了一根最粗的。”
“不行啊。拿了粗的,人家馬上就知道是偷的,被發現了可不好。放回去!”
舞女回到堆放竹子的地方,又跑了過來。這回她給了我一根中指粗細的竹子。然後,她
在田埂上像脊背給撞了一下似的打了個趔趄,氣喘吁吁地等著其他女人。
我和榮吉一直走在前面十多米遠的地方。
“只要把那顆牙齒拔掉,裝上金牙,不就行了嘛。”舞女的聲音突然送進了我的耳朵。
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はいったので振り返ってみると、踴子は千代子と並んで歩き、おふくろと百合子とがそれ
に少し遅れていた。私の振り返ったのに気づかないらしく千代子が言った。
「それはそう。そう知らしてあげたらどう。」
私のうわさらしい。千代子が私の歯並びの悪いことを言ったので、踴子が金歯を持ち出
したのだろう。顔の話らしいが、それが苦にもならないし、聞き耳を立てる気にもならな
いほどに、私は親しい気持ちになっているのだった。しばらく低い聲が続いてから踴子の
言うのか聞こえた。
「いい人ね。」
「それはそう、いい人らしい。」
「ほんとにいい人ね。いい人はいいね。」
この物言いは単純であけっ放しな響きを持っていた。感情の傾きをぽいと幼く投げ出し
て見せた聲だった。私自身にも自分をいい人だとすなおに感じることができた。晴れ晴れ
と眼を上げて明るい山々を眺めた。瞼の裡がかすかに痛んだ。二十歳の私は自分の性伲��
孤児根性でゆがんでいるときびしい反省を重ね、その息苦しいゆううつに堪えきれないで
伊豆の旅に出て來ているのだった。
だから、世間尋常の意味で自分がいい人に見えることは、言いようなくありがたいのだ
った。山々の明るいのは下田の海が近づいたからだった。私はさっきの竹の杖を振り回し
ながら秋草の頭を切った。
途中、ところどころの村の入口に立て札があった。
――物ごい旅芸人村に入るべからず。
第六章
甲州屋という木賃宿は下田の北口をはいるとすぐだった。私は芸人たちのあとから屋根
裡のような二階へ通った。天井がなく、街道に向かった窓ぎわにすわると、屋根裡が頭に
つかえるのだった。
「肩は痛くないかい。」と、おふくろは踴子に幾度もだめを押していた。
「手は痛くないかい。」
踴子は太鼓を打つ時の手まねをしてみた。
「痛くない。打てるね、打てるね。」
「まあよかったね。」
私は太鼓をさげてみた。
「おや、重いんだな。」
「それはあなたの思っているより重いわ。
あなたのカバンより重いわ。」と踴子が笑った。
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我回過頭去,看見舞女和千代子並肩走著,媽媽和百合子稍稍落後一些。千代子似乎沒有發
覺我回頭,說道:
“那倒是。你就那樣對他說,怎麼樣?”
她們好像在議論我。可能是因為千代子說我牙齒長得不整齊,舞女才提出裝金牙的吧。
她們談論我的長相,我心裡倒是感到親切,並沒有為此而苦惱,也不想仔細傾聽。她們繼續
低聲談了一會兒,我聽見舞女說道:
“是個好人哪。”
“是啊,像是個好人。”
“真的是個好人哪。好人就是好嘛。”
這話語聽起來單純而又率直,是天真地傾吐情感的聲音。這使我自己也由衷地感到自己
是個好人了。我心情舒暢地抬起眼來望了望明朗的群山。眼瞼隱隱作痛。二十歲的我一再深
刻反省,覺得自己的性格被孤兒根性扭曲了,我無法忍受那種令人窒息的憂鬱,才來伊豆