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頭にたて、一同がまっ暗な階段をのぼっていくと、ろうかの左手に大きなドア。銀仮面の影がうつっていたのは、たしかにこのへやにちがいない。
一同がドアのまえにたたずんで、耳をすますと、なかから聞こえてくるのは苦しそうなうめき聲。金田一耕助はそれを聞くと、ドアをひらいて、壁の|傍《そば》のスイッチをひねった。と、パッと電燈がついたが、そのとたん、一同はおもわずアッと立ちすくんだ。
そこは寢室になっているらしく、へやのすみにりっぱなベッドがあったが、そのベッドの下にパジャマを著た老人があけに染まっているのだ。
金田一耕助はそれを見ると、つかつかとそばへより、老人のからだを起こしたが、その顔を一目見るなり、
「アッ、こ、こ、これは……!」
と、びっくりしておもわずどもってしまった。
「き、金田一さん、ど、どうかしましたか?」
等々力警部もつりこまれて、おもわずおなじようにどもった。
「警部さん、見てください、このひとの顔を……あなたも知っているひとですよ」
耕助のことばに文彥も、警部のあとからこわごわ老人の顔をのぞきこんだが、そのとたん、世にも意外な感じにうたれたのである。
「あ、金田一さん、こ、こりゃ寶石王の、加藤寶作さんじゃありませんか?」
警部のおどろいたのもむりはない。いかにもそれは日本一の寶石王といわれる、加藤寶作老人なのだった。
寶作老人は左の肩をうたれたと見え、パジャマにピストルの穴があき、ぐっしょりと血に染まっている。そして、たぶん出血のためだろう、気を失って、おりおりくちびるからもれるのは、苦しそうなうめき聲ばかり。
「ああ、きみ、きみ、きみ……!」
金田一耕助は気がついたように、刑事のほうをふりかえり、
「醫者を、早く、早く……!」
|言《げん》|下《か》に刑事のひとりがとびだそうとするのを、あとから等々力警部が呼びとめて、
「ああ、それから応援の警官を呼んでくれたまえ。銀仮面のやつ、ま�