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うが大きくひらいて、そこから隣のへやの光がパッと、さしこんでいるのだ。

と、見ればそのへやのなかでもみあう二つの影、ひとりはさっきの西洋よろいなのだが、もうひとりは|筋《きん》|骨《こつ》たくましい大男である。

大男はいましも西洋よろいをいすに押しつけ、縄でぐるぐるしばっているところだった。西洋よろいはもう抵抗する勇気もうせたか、ぐったりとして、相手のなすがままにまかせている。金田一耕助はそれを見ると、

「なにをする!」

叫ぶとともにへやのなかへおどりこんだが、この聲に、ハッとふりかえった大男は、金田一耕助のすがたを見るとにわかにかたわらのテ��芝毪紊悉摔ⅳ盲俊�毳轔氓去毪�槨い韋嬰螭蚴證摔趣輟ⅳ悉盲筏趣肖�轆送釘菠膜堡俊�

びんは暖爐の角にあたって、木っぱみじんにくだけるとともに、なかからパッととび散ったのはなにやらえたいの知れぬ�し勰��

金田一耕助はたくみにその下をかいくぐると、

「なにをする!」

ふたたび叫んで、手にした懐中電燈を相手にたたきつけた。

相手もしかし、たくみにそれをさけると、猛然として耕助におどりかかってきたが、いや、その力の強いこと。耕助探偵はたちまち床の上に押し倒され、おまけにぐいぐいのどをしめつけられ、いまにも気が遠くなりそうになったが、そのとき抜け穴からとびだしてきたのが文彥である。このありさまを見ると、ポケットにあった黃金の小箱を、とっさのつぶてとして、はっしとばかりに大男にぶっつけた。

おどろいたのは大男だった。ギョッとしたように金田一耕助からはなれると、こちらにむかって身がまえたが、そのとたん、文彥もおどろいたが、相手のおどろきはそれよりもっとひどかった。

「ア、ア、ア、ア、ア……」

ああ、それは口のきけない牛丸青年ではないか。牛丸青年はしばらく、文彥と金田一耕助を見くらべていたが、

「ア、ア、ア、ア、ア……」

ふたたび奇妙な叫びをあげると、だっと[#「だっと」に傍點]のごとくへやからとびだしていった。そして、そのまま、家の外へ逃げだしてしまったのだ。

「やれやれ、おかげで助かった。もう少しでしめ殺されるところだったよ。おや?」

床の上に起きなおった金田一耕助が、ふと目をとめたのは黃金の小箱である。

「文彥くん、いま投げつけたのはこれかい」

「はい」

「きみはどうしてこんなものを持っているの」

文彥が返事をためらっているのを、あやしむようにながめながら、

「こりゃ、たいしたものだね。本物の金だよ。おや、この箱にも|七《しっ》|寶《ぽう》で、トランプのダイヤのもようがちりばめてあるね。ダイヤのあざにダイヤのキング、そしてこの小箱にもダイヤのもよう[#「もよう」に傍點]……」

金田一耕助はふしぎそうにつぶやきながら、へやのなかを見まわして、

「文彥くん、このへやに見覚えがある?」

「あります。大野老人の客間なんです。そして、そこんとこに西洋のよろいが立っていたんです」

「アッ、西洋のよろいといえば……」

気がついてふりかえると、西洋よろいはいすになかばしばられたまま、ぐったりとしている。どうやら気を失っているようすである。

「おい、しっかりしろ!」

金田一耕助と文彥は、つかつかとそばへ近寄り、かぶとをぬがせてやったが、そのとたん、ふたりとも思わず床からとびあがった。なんと、よろいのなかにいる人物は、文彥とおなじ年ごろの少年ではないか。

「先生、こ、これは……」

「ふむ、こいつは意外だ。こいつがこんな子どもとは……とにかく、縄をといて、よろいをぬがせてやりたまえ」

ふたりは大急ぎで少年の縄をとき、よろいをぬがせてやったが、そのとたん、文彥はまたもや床からとびあがったのだった。

「ど、ど、どうした文彥くん」

「先生、こ、これを……」

文彥の

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